さゆり亭部屋

年末年始の宿特集。「1万円台で泊まれる宿」をクリックすると、肝心の日にちは正月料金であてにならない!と言う憂き目に遭っているのは、私だけではないはず。

そんな私が、12/30〜31の暮れ押し迫った中、税込1万円台で名湯と創作料理を心ゆくまで満喫できた温泉宿をご紹介します!2日目はこちら「会津湯野上温泉 こぼうしの宿 洗心亭」

年末年始!宿選び3つのポイント

①確かな口コミ

私が特に信頼を置いているのがGoogle Mapとトリップアドバイザーの口コミ。Googleは投稿者が多く、最大公約数的に偏りのない情報が得られます。トリップアドバイザーは結構辛口な投稿が多いのですが、それだけに信頼がおけるんですよね。人によって信頼する旅行サイトは違うと思いますが、自分の感覚と合う口コミサイトを見つけておくと、宿選びの失敗が減ると思います。

ちなみに今回の山形屋さんは、5段階中4となかなかの評判の良さ。熱めの塩化物泉で体が芯からポカポカ温まり、地元食材を使ったおいしい料理がお腹いっぱいふるまわれるとか。

②料金比較サイトを使う!

いつも使っている旅行サイトからだけ探していると、競争率の高い年末年始の時期はせっかくのチャンスを逃しているかも…。トラベルコ、トリバゴなどの旅行代金比較サイトは様々な旅行会社と提携している分、希望の条件で泊まれるホテルが見つかる確率がグンとアップします。今回泊まったホテルは、2軒ともこの方法で探しました。

ただし、伊藤園ホテルズや大江戸温泉物語など、公式サイトが最安値のホテルもあります。また、部屋の雰囲気や細かな情報などを知るためにも、公式サイトがあれば一度のぞいてみましょう。

③諦めない!

探す時期も大切です。ホテルによって予約受付の時期は異なり、大体3ヶ月〜6ヶ月前から可能なところが多いですが、もし万が一時期を逸しても決して諦めないでください。予約で埋まってしまっていても、後々キャンセルが出ていることも往々にしてあります。早朝が狙い目。

喜多方と言えばラーメン!老舗の老麺 まるやさんへ

福島はとても寒く、たびたび雪がちらついていました。

初日のお昼には、宿のある喜多方へ到着(隣県なもので)。喜多方は言わずと知れたラーメンが有名な場所。みぞれ混じりの天候で寒かったので、新規開拓は断念し、以前2回ほど訪れたことのある「老麺まるや」さんへ。

【老麺まるや 店舗情報】

所在地 福島県喜多方市寺南2628
電話 0241-22-0613
営業時間 10:30〜19:00(平日15:00〜17:00中休憩)

昔なつかしい、毎日食べても飽きないシンプルなラーメンを提供してくれるお店です。店構えは古く、小さなお店で雰囲気があります。谷啓さんや阿藤快さんなど、往年の有名人の写真やサインも飾ってあります。駐車場は店舗に向かって左手にある神社の境内へ止める仕組みです。停められる台数は8台ほど。

ちょうど混み合った時間帯に行ったので、しばし待つことに。狭めの店内ですが、入り口付近に4人ほど座って待てるスペースがあります。15分ほどで席に通され、私と母は老麺の普通盛り(税込650円)、ダンナは塩らーめん(700円)をオーダー。

まるやの老麺

相変わらずのまろやかな味。つるつるとした麺と、あまり主張し過ぎない醤油スープの相性がいいですね。普通盛りでも、優しい味付けの大きめなチャーシューが3枚も入っていてボリューミー。

まるや塩ラーメン

ダンナのオーダーした塩ラーメンのスープを味見したら、醤油よりもさらにまろやか。加えて、肉の旨味がより強い印象を受けました。おいしい!

1日目の宿:熱塩温泉 山形屋

チェックインは14時。この日泊まったのは初訪問の熱塩温泉 山形屋さん。

【熱塩温泉 山形屋 宿情報】

所在地 福島県喜多方市熱塩加納町熱塩字北平田甲347-2
電話 0241-36-2288
ホームページ https://www.spa-yamagataya.com/index.php

ロビーにはきれいな花が飾られています。

ロビーの花
ロビー付近の装飾

テーブルの下にはかんじきが。テーブル右側のはともかく、左側のものは実際に使っていそうですね。

2014年将棋名人戦ポスター

羽生善治さんのポスターがあります。将棋名人戦が行われたことのある、由緒正しい温泉旅館のようですね(^^)

JTBを初めて利用して「部屋タイプお約束・照姫殿 和室10畳お約束プラン」を予約。フロントで簡単に受付をした後、担当の感じの良い仲居さん(男性)が荷物を持って部屋へ案内してくれます。

部屋の洗面所付近
さゆり亭部屋
さゆり亭部屋

照姫殿の予約をしたはずでしたが、通された部屋は新館さゆり亭のお部屋でした。フロントでは部屋の説明などはなく、違和感を覚えましたが、部屋が17畳と広々していて、座面の大きな座りやすそうな椅子を備えた別テーブルもあり、居心地が良さそうだったので、むしろグレードアップしてくれたのかと思い何も言わずにおきました。

実際、後付けで調べてみると、JTBのプランで照姫殿は8,250〜17,600円、さゆり亭は9,350〜18,700円となっています(2020年1月現在)。

とはいえ照姫殿の方がフロントやお風呂、食事会場も近いので、利便性は高いですね。母がまだ歩くのに不自由がないので結果的にはよかったのですが、グレードアップしたなら、仲居さんに案内される前に部屋の説明をしてくれると嬉しかったな〜。

山形屋浴衣
御茶菓子
御茶菓子
部屋のお茶セット

山形屋さん自慢の温泉掛け流し風呂

お風呂場は3階。私たちの泊まったさゆり亭の部屋は5階で、最寄りのエレベーターから直接3階まで降りることができます。

山形屋では、男性と女性それぞれ別々にお風呂に入る際、不便がないようにと2つの部屋の鍵を渡してくれます。この気配りは嬉しいですね。

貴重品入れは風呂場入り口の近くに設置されていて、ダイヤル式になっています。自分で決めた4桁の暗証番号を設定してロックをかけた後、番号がわからないよう適当にダイヤルを回しておくわけですが、このダイヤルの文字盤が小さく、少し擦れて見づらくなっているので、合わせた数字をしっかり確認しましょう。

お風呂は23:30〜0:00の間が掃除タイムで、その後男女が入れ替わります。夕食前に入ったお風呂にはサウナと水風呂、内風呂、露天風呂がありました。

お湯の色は透明で、食塩泉のためお風呂から出た後もポカポカと足先まで温かく、末端冷え性の私にも嬉しい泉質です。内湯はレンガをイメージした造り、露天風呂は岩風呂になっており、雲海がかかった山が望めます。風情があるので、外が明るいうちに一度入っておくのをお勧めします。

夕食後に再び入浴し、翌朝男女入れ替え後のお風呂に入りましたが、こちらは天井や浴槽周りをヒノキで囲った野趣あふれる趣。サウナを利用する人は、朝入れ替えになった方には水風呂がありませんのでご注意を。

洗い場はいずれも8席くらい。蛇口はプッシュタイプではないので、途切れることなくシャワーが出てくれ使いやすいです。

ちなみに足湯もあります。ただ、私たちの行った日は天候が悪く、入り口のところに「使用中止」と書かれた看板が置かれていたため、利用できませんでした。残念…。

夕食前に館内散策

チェックインが早かったのもあり、夕食時間の18時までまだ余裕があります。ロビー付近にお土産屋さんもあったので散策してみることに。

お正月が近いので、館内のあちこちにそれらしい飾り付けがされています。

廊下の正月飾り

お風呂へ通じる廊下に、雑誌コーナーがありました。

雑誌コーナー

廃線になった駅や近くのスキー場の案内、宿泊した人たちが書いたであろうたくさんの絵手紙などの展示物のほか、大小の花も飾り付けられており、明るくて居心地がいい場所です。この時ばかりはダンナと母が、30分以上も備え付けの雑誌や本を読みふけってました。

さてロビーへ。そういえば、喜多方ラーメンの屋台が館内にあるって言ってたっけ。

ホテル内の喜多方ラーメン屋台

まだ仕度中ですね…。夜に営業するのかな。

ホテル入り口からロビーに入った突き当たりにラウンジがありますが、夕方6時まではコーヒーラウンジ、夜8時半から11時まではカラオケスナックとして営業するようです。

大浴場の他に、地下1階に「チャコールバーデン」という入浴施設があります。今回は利用しなかったのですが、炭を使った低温サウナだそう。

ロビー付近の装飾

チャコールバーデン内の写真と入浴方法がロビー横に貼ってあったのでパチリ。

チャコールバーデンの写真
チャコールバーデン入浴方法

3階のお風呂に入って体を温めた後地下へ移動し、汗をかいたあとは再び3階の大浴場で体を洗うようですね。実際、お風呂で「これからチャコールバーデン行ってくるね!」と知り合いに声をかけている人もちらほらいました。

自慢の創作料理がたっぷり味わえる夕食

食事会場は朝夕ともに2階。畳敷きの座敷での会場食で、テーブルと椅子での食事になります。私がカメラを持参しているのを見た仲居さんが、すすんで全員揃った写真を撮ってくれたのがうれしかったです♪

夕食会場

山形屋は創作料理が自慢の宿として有名。口コミにも「おいしい」「食べきれない」の文字がたくさん踊っていました。夕食時間は18:00から。席も決まっており、バイキングのような気ぜわしさもなく、ゆったりと心ゆくまで料理を堪能できるのも嬉しいポイントですね。

上がお品書き。旬の地元食材を生かした和洋折衷の料理がテーブルいっぱいに並べられています。下は食前酒。地元で採れる赤い木の実で色付けしたお酒だとか。

食前酒
磐梯マス等お造り

磐梯マス、マグロのブツ、寒ぶりのお造りに、

地鶏の香草焼き

地鶏の香草焼き。

うなぎ寿司

うなぎ寿司、

みぞれ鍋

みぞれ鍋。

舌平目リング揚げ

舌平目リング揚げ。

利き酒セット

地産地消の、心づくしの料理に合わせるのはもちろん地酒。今回は利き酒セット800円。ぐい飲みの下にお酒の名前と特徴が書いてあるのが親切ですね。主張控えめながら料理を引き立ててくれる「夢心」が、一番私の口に合いました。右上は、ちょっとボケて写ってますが、鮭兵頭と言って鮭の鼻先を酢漬けにしたものです。

他にも福島牛のビーフシチュー、パルメザンチーズの茶碗蒸し、赤味噌を使った味噌汁、絶妙な塩加減の漬物などが出て、いや〜、もうお腹パンパン。熱塩産コシヒカリは入る余地なし。残念だけど辞退させていただきました…。

会津リンゴコンポート

それでもデザートは別腹なんですね〜。地元産のリンゴのコンポート、しっかりいただいて来ました。

朝食のテーマも”身土不二”

朝食は7:30から。昨晩の夕食と同じ会場での食事になります。

食事会場廊下

昨日の夕食・朝食ともに、「身土不二」がテーマでしたが、こちらに説明が書いてありました。「住んでいる土地の旬のものを食べると健康に良いという考え方」とのこと。

食事会場入り口横の装飾

味噌汁やご飯はセルフサービス、おかずはテーブルにセッティングされています。昨晩はテーブルごとに衝立で仕切られていましたが、取っ払ってしまうと、かなり広い会場です。

朝食会場風景
おかず盛り合わせ

黒豆納豆や温泉卵、なめこおろしなど小鉢がたくさん。ちょこちょこいろんなものが食べられるのがうれしいです。

こんにゃく刺しと漬物

こんにゃくのお刺身にいい塩梅の漬物。

焼き鮭

焼き魚。デザートは、クコの実が入っていたので杏仁豆腐かと思いましたが、食べてみたらヨーグルトでした。朝食には外せませんね。あまり甘くなく、さっぱりめです。

野菜のせいろ蒸し

せいろ蒸しやサラダの盛り合わせなど、朝から野菜がたっぷり食べられる、体に良い朝食でした。もちろん、お味もバッチリ!

エゴマのふりかけ

こちらに来たらえごまも外せない食材ですね。昨晩お腹がいっぱいで食べられなかった地元産のコシヒカリもしっかりいただきました♪

チェックアウト時にお土産も!

次のお宿が近いこともあり、11時のチェックアウトギリギリまでノンビリ。こちらの今回の宿泊代は、税込13,750円でした(2019年12月時点)。まだお正月の特別料理が出なかったせいでしょうが、年末のこの時期、ずいぶんお得に泊まれたな〜という印象です。

そして嬉しいことに、最後にこちらのお土産も人数分いただきました!

山形屋でもらった箸

山形屋さんのコンセプトである「一流の田舎」が金文字で入れられたお箸。薄く塗りがあり、ある程度の重さがあって、男性用の箸くらい長くて大きめなんですが、これが思いの外使いやすい!いつも女性用の小さめのものしか使ってこなかったので、目からウロコでした。とても気に入っています♪

評判にたがわず、目にも舌にも楽しい創作料理をお腹いっぱい味わえる、居心地のよい温泉宿でした。体の芯からあったまる食塩泉は男女入れ替えで内湯・露天風呂ともたっぷり楽しめるし、寒い季節に言うことなし。加えて福島は毎年のように金賞を受賞している酒どころ。1年頑張った自分への、良いごほうび旅行となりました。